友人へのメールを手直ししました。
今朝(3日)の教育TVは面白かった。
建築家伊東豊男さんの仕事を紹介してました。前から注目していた人です。
正方形を回転させてできたランダムに見える構造を屋根の鉄骨にとりいれた期間限定のパビリオンは、手法は札幌で自然食品店をいとなむ「まほろば」の宮下さんが新店舗設計のときに黄金分割比を回転させたのと同じで「エッ」と思いましたね。
来年4月には福岡に「ぐりんぐりん」という公園と建築物が一体になったようなものができるそうです。従来の建築構造で使われる梁構造でも壁構造でもなくて、建物自体が丘になるんです。埋め立て地に盛り上がった構造物がつくられ、その上には草が張られ、現在は造成された公園のようですが、鳥たちが種子を運んできて雑草がはえてくるといいですねと伊東さんはいっていました。
ガラスばりのピラミッドがある札幌のモエレ沼公園はイサムノグチが「公園全体を彫刻にする」と基本設計したものとして知られますが、そことこの福岡の「ぐりんぐりん」は北と南で日本を代表する公園になるのではないかと思います。
伊東さんは結局自然に戻るという質問、「だからといってもう古代の暮らしには戻れない。ビルに暮らしているのを否定できないといっています。コンピュータを使って構造計算でできるようになった世界で、自然を考えているようです。
自然界に直線はありません。その点では伊東さんの仕事はすごいのですが、何でもできるようになったからこそ、わたしとしては形態学は忘れてほしくないというところです。美しいという感覚はそこから生まれてきたからです。
岐阜の「瞑想の森」、Mikimoto Ginza、木の枝が伸びて行くようなコンクリートの壁面構造をもった表参道ビル。ここから建築は変わるのではないかという予感がします。
日本の寺院建築の屋根は「そりむくり」というそうです。あの中心部がむっくり盛りあがり端がそっている屋根で、松岡正剛さんが、『日本という方法』で書いています。確かに日中の違いがわかるところです。この違いが欧米人にはわからないらしく、向こうの人間が撮った映画が、おかしく感じられる一因にもなっています。
松岡さんには「そりむくり」と形態学はどうつながるのか聞いてみたいですね。
わたしの関心はどうして人間や自然がこのかたちになったかという「形態学」なんです。
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