このイヤシロチをつくる炭埋にいちはやく気づいて実行した人たちがいた。それが、前述したP.カラハンさんの講
演会に集まった面々だった。
帯広に近い新得町で精神障害者との共生牧場をたちあげた『共働学舎新得農場』の宮嶋望さんは牛舎やチーズ工房
に炭埋し、地下水脈を調整し、ナチュラルチーズ・コンテストで金賞を受賞した。さらに、昨年はスイスで行われたフェルミエタイプ(農場の小生産者)の国際的コンテスト「山のチーズ・コンテスト」で金賞を受賞した。宮嶋さんが
炭素埋設を教わったのは、知床と花咲岬の間、野付岬の付け根にある標津に住む電子農業の指導者からだったという。
楢崎皐月が『静電三方』や『相似象』で言っていた植物波農法は、電子農法として北の果てにまで広がっていたのだ。その宮嶋さんが、P.カラハンさんの講演会に出かけることになった。朋友である札幌で自然食品店『まほろば』を経営する宮下周平さんからの情報だったという。
宮下さんも、自宅中心部の吹き抜けの部屋に炭埋していた。そこに電気炉を設置して、集まってきた世界の希少金属80種類の素材を焼き込めたせたセラミックで驚異の浄・活水器「まほろばエリサー」をつくった。この浄・活水器には
浄化用の活性炭も使われているのだが、焦点はセラミックだった。このセラミックをカラハンさんのところに送って、測定してもらったところ、驚異的に常磁性が高かったという。
この浄・活水器の水は、交通事故で脳挫傷になった二人の命を救う奇跡的生還を起こした水として、関係者のあいだで騒がれた。そればかりか、この水に住む凝乳酵素が発見され、従来のチーズづくりに必須とされた仔牛の第四胃からとるレンネット(凝乳酵素)が不要になるというチーズづくりに革命を引き起こした。この凝乳酵素は世界特許をとり、現在ニュージーランドで試用中だという。
カラハンさんの講演会を主催していた益子の自称百姓高橋丈夫さんは、家に炭埋し、自然養鶏に切り替えた後の危機的な状況を炭と竹酢で克服し、腐らない卵をつくった。彼の家では外から入ってきたはえや蚊が壁側に逃げるという不思議な現象が起きている。
千葉香取の蔵元寺田本家の当主、寺田啓左さんは、炭埋した田んぼで収穫した古代赤米を発芽状態で醸した酒「むすひ」をつくった。すると、まさしく古から「百薬の長」と言われた酒が実現し。糖尿病が治ったとか血圧が下がったという話が舞い込むようになった。(この話は古代酒「むすひ」のカテゴリーをお読みください)
楢崎皐月が蒔いた炭埋が花を開き始め、炭から石のエネルギーへ冒険はすすみだした。