8月30日の投票日に投票所まで行けないので、期日前の不在者投票に行って来ました。この間、『美しき日本の残像』アレックス・カー を読みました。
著者は、オックスフォードで日本学を学んで、日本に来て過疎化が進む四国の祖谷渓(いやけい)の廃屋の茅葺き屋根を直して住めるようにしたり、京都の亀岡八幡宮の古民家(空き屋)を直して住むなど、およそ、わたしたちが住もうとも思わないところを長年に渡り改築して住み易くして書画・骨董を商いにしています。
日本で一番美しい山の風景は、四国の祖谷渓で、朝霧がたなびく光景は絶品だといいます。朝霧は、植物の地上部から大気中へ水蒸気が放出される蒸散によって起きるのでしょう。蒸散の大部分は気孔が裏側に集中しているため葉の裏側で起こると言われます。谷間や高原に朝霧がたなびく光景はたしかに人々を魅了します。
日本を愛してやまない著者は今日、寺でテープが響く京を嘆き、電柱とパチンコ屋が立ち並ぶ奈良の奥山や高野山を嘆く。
便利さとひきかえに失ったものを嘆く声が多い中、この国のかたちを見据えてみると、過度に電気に依存した暮らしが見えてきます。京や奈良、奈良の奥山(吉野・高野・熊野・室生)や伊勢のような古い町は電線の地下埋設を押し進めてはどうでしょう。コストは受益者負担と公共事業費でまかなえばいいのではないのでしょうか? 日本に四季を取り戻すという壮大な作業を通してまだまだやることがあるのは、嬉しいことなのです。こんなことを訴えている候補はいませんでしたが。日本は新しくモノをつくりだすのではなく、レストアやリフォーム、リノベーションにこそ力を注ぐべきなのです。
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