p.カラハンさんは伊勢神宮の遷宮のときに日本に神社本庁が招聘した在野の(大学で教鞭をとられることもあるようだ)昆虫学、形態学、農学、生物物理、アンテナ研究の研究者。だが、研究室に閉じこもる研究者でなく、フィールドワーカーであると強調している。5~6冊の著作のうち「自然界の調律」が訳出されている。
遷宮のときに開かれた「千年の森シンポジウム」でのカラハンさんの講演テーマは「常磁性の土壌と大気中の極超低周波が植物の成長に与える影響について」というものだった。常磁性とは、強磁性と反磁性の中間にある性質を持つ物質で、強磁性の環境におくと、弱い磁性を帯びるものというのが高校物理の教科書に出ている。
極超低周波(ELF)はX線、紫外線、可視光線、赤外線、ラジオ波と並ぶ電磁波スペクトルのなかでもっとも波長の長い領域で、シューマン波といわれる波長を含む。その波長は3700kmにもなるという長い波長の電磁波である。
この千年の森シンポジウムの翌年、カラハンさんの話に興味を持った当時、和蔵会の片山雄介さんが、カラハン夫妻を招聘した。早稲田・益子・出雲で行われた講演会にの本格地から集まった人たちは、不思議な縁で結ばれているようで、カラハン・チルドレンと呼んでもいい。
カラハンさんはこんなことを言っている。「火山活動によってつくられた石や岩が太陽光線を受けることによって。植物を成長させる力を持つ」。
それらの石は常磁性をもっているため、エネルギーが増幅され、そのエネルギーが植物を成長させるという。私の浅い理解で言えばこのエネルギーは遠赤外線から極超低周波ということになる。
石や岩が植物の成長にいい影響を与えるというのは、聞き慣れない話だが、東京農大では猛暑のスーダンでストーンマルチという石を使った農法で成果をあげているようだ。この場合は灼熱の太陽光線を緩和するのが目的で、いわば月の役割を持たせたもののようだ。
植物は夜に成長するのをご存知だろうか? わたしたちは、太陽エネルギーを反射する岩だらけの月のおかげで生きているのだ。太陽だけなら死滅してしまう。
カラハンさんは石だらけの高山に咲く高山植物や石に根をはわす盆栽の松、石に生える苔などを例にあげている。
カラハン・チルドレンは即座にこれを理解したようだ。
世界各地に古代の巨石文明がある。ギザのピラミッド、インカのピラミッド・マチュピチュに始まり、ご神体の巨石や盤石(いわくら)から環状列石は日本各地にもある。盤石のなかには、磁石を近づけると30度くらい振れるものがあるのはmacrobiotique誌で報告されている。石が弱い磁性を持つ証拠といえるのではないか。
この謎をといていくと、ストーンヘンジの夏至の早朝に人々がご来光をおがみに集まる理由がわかる。共通項は石と太陽だ。夏至の早朝の太陽光線は極超低周波のシューマン波なのではないか? これがヘンジの常磁性を増幅する。それが、植物だけでなく、全生命の根元にあるからだ。それが、蘇生や蘇りにつながるかどうかはまだ疑問の余地があるにしてもだ。