高橋丈夫さんの本をまとめていた。
その中には、養鶏業を営む高橋さんが出会った不思議体験が数々綴られている。ここで、そのいくつかを差し障りの亡い程度に披露しようと思う。
まず、日頃食べている卵の殻は、何でできているんだろうという疑問である。
もちろん、多くの人は「そりゃカルシウムに決まっている」と答えるだろう。
では、そのカルシウムはどこから来たのか? 「そりゃ、餌には
カルシウムたっぷりだから」と答えるに違いない。
では、親鶏がついばむ餌や土壌にカルシウムが一切含まれていないとすれば、卵はどうなるだろう?
答えは、卵は卵のかたちで生まれるのです。
同じことが牛にも言える。牛のアノ大きなからだは、牧草でできるのです。昨今では、飼料肥育が中心になっているとはいえ、その飼料は主にとうもろこしだときいています。
あんなに大きなからだをつくっているのがタンパク質じゃなくて草や穀物なんです。
この謎ときは、75年にノーベル医学・生理学賞候補になったルイ.ケルブラン博士の「原子転換説」にあるのですが、卵の殻を見るたびになんとも不思議な「錬金術」の世界をのぞいている気にさせられます。