去る8月5日、朝日新聞朝刊に「バイオガス一般供給へ」と題する記事が載りました。下水処理場の汚泥や生ゴミなどを(嫌気性菌で)醗酵させて作るメタンガスを一定の規模以上のガス会社は2年以内に購入を義務づけられたのです。問題は既存の都市ガスと成分をそろえる精製設備や監視装置の設置だと言います。
水素ガス革命は日本でも始まっていました。
バイオガスを買い取って一般に供給しているのは金沢市と長岡市で、下水処理場とガス製造所の距離が問題になるといいます。
ということは、地産地消と同じく下水処理場もガス製造所も広域でなく一定量がまかなえる地域分散型がいいっていうことになります。
メタンガスが都市ガスと同じように使えるようになれば、あとはエネファームで電気分解の反対に水素と酸素と熱を取り出せばいいのです。その技術は確立しています。今は大型のエネファームも2年後にはマンションでも設置できるくらいになるという話もあります。
ところで、わが家の下水はどこで処理されているんでしょう? ガスはどこから来るんでしょう? 都市ガスだから天然ガスだろうけど、肝心のこと何も知らないことに気ずかされました。
わたしたちは、自分が流した汚物がどこに流れていってどこで処理されているのか? それすらも知らされずに暮らしているのです。何と幸せなことでしょう?
2009/8/10
2009/8/4
8月6日が近くなると、広島・長崎の報道が増えます。あのイッセイ・ミヤケが被爆者であることを明かしてオバマ大統領に式典に参加を要請する公開の手紙を新聞に投稿したことや7人の米国人が謝罪の旅をしようと企画したところ、周囲の反対にあって謝罪をとりやめたことなどが伝えられています。いまだに全米では広島というと反射的にパールハーバーが引き合いに出されるようです。ただ、この報道については真珠湾は軍港だったことについては触れられていません。戦果も主に軍艦です。アリゾナとかミズーリ・サラトガなんて名前はそこで覚えたものです。
いっぽう、アメリカは市民を殺傷したのです。まあ、あまりにも自明でバカバカしくて誰も口にしないのでしょうが、これは明らかに重大な国際人道法違反です。空襲が市民の殺傷を目的にしたものであること、国際人道法の考えがなし崩し的に戦争の論理にないがしろにされてきたことを思えば広島の問題は、東京大空襲にもイラクの劣化ウラン弾空襲にもガザ空襲にもつながるのですが、そうした声はあがりません。
わたしは広島に行ったことはありません。大江健三郎の『ヒロシマ・ノート』も読んでいません。ヒロシマと言えば岡田英次の映画『ヒロシマ・モナムール』を思い出すくらいの人間です。わたしの記憶には、多分中学のときだったか小学校高学年のときだったか、おじさんの家で見せられた厚さ2~3cmもあるヒロシマの大型写真集があります。
焼けただれた背中、一面がれきの広場となった街、これが人間に対してできる人がいるのに驚いた記憶があります。パールハーバーなど比較にもなりません。ただ「残酷だね」などと口が裂けても言えないものでした。今で言えば9.11だって比較にならないでしょう。ただただ黙するしかない。それがピカドンでした。