CAMUNetとBe Good Cafeのコラボレーション企画による代替医療入門の第二回に行ってきた。テーマはホメオパシー。上野圭一さんと『ホメオパシー 海・森・大地の見えざる医師たち』の著者である伴利香さんの対談だ。
「ホメオパシー」のことを最初に聞いたのはフレグランス・ジャーナル社が市ヶ谷の私学会館で主催した講演会が最初だった。このときの講師は江東区で開業していた衣川瑞水先生だった。先生はホメオパスであったわけではないと思うが、同社から小冊子を出していた。A5で60Pくらいのものだったと思う。わたしが知る限り、近代日本で始めての本だった。今のように溢れるほど関連の本が出ている時代のことではない。衣川先生にお願いして文春新書で本を出そうと企画したこともある。文春新書がスタートした頃の話だ。
その後、衣川先生は亡くなられたのだが、そんなことを思いだしながら、会場に向かった。判さんの『ホメオパシー』新潮社は、面白かった。体験を土台にしっかり多様で不思議な自然に向き合っていく内容は、説得力に溢れ、似たものは似たものを癒すという「同種の法則」や段階的に希釈を繰り返しほとんど分子成分を含まないのによくなるという「微量の法則」などの説明は、なかなかだった。
微量の法則は、LSDやホルモン、フェロモンなどを引き合いに出して語られているが、水は情報を記憶するという江本勝さんの『水からの伝言』とあわせて考えれば納得がいく。もともと水は情報伝達物資だと考えてきたので、この説明は嬉しかった。『水からの伝言』のほうは意識や言葉という問題がかかわってくるので、微量の法則ほど正確ではないのではないかと思うのだが。
「マテリア・メディカ」エンタプライズ は、ホメオパシーの辞書のようなものだ。これを引用した彼女の説明は、似たものは似たものを癒すっていうのは、引き起こされる症状だと限定的に思いこんでいたわたしを驚かせるに十分だった。
この辞書には、患者とそっくり同じ特徴を持つ、動物・植物・鉱物の名がついているのだ。「ブッシュマスター(毒蛇)の人」みたいに。あなたはブッシュマスターの人ですねなんて言われるのだ。おいおい、あたしゃ毒蛇かい、と言わずに聞いてほしい。
じつは、自分の前世はかたつむりではないかと考えていたことがある。雨の日、雨音、雨上がりの緑が異常に好きなのだ。なぜか懐かしいのだ。子どもの頃、学校から雨のなかをずぶ濡れになりながら帰ったこともある。とすると、わたしは「かたつむりの人」か? かたつむりがレメディにあるかどうか知らないが、昨今流行った動物占いも、日本に古くからある干支のことを考えると不思議ではない。
たしかに見た目にもリスみたいな印象の可愛い女のこはいる。気功にも動物の真似をする五禽戯や亀蛇功のような模倣功もある。いっそのこと五つの動物だけでなくその数を増やしてもいいのではないか。医療が占いにつながっていった経緯もよくわかる。いまは矢尻をいれる箱を意味する「医」学の医の字(注:醫の旧字)は、上半分は清らかとか清潔とかいう意味で、下の「巫」というのは、祭壇とか、巫女とか意味である。「人間まるごと」っていうホリスティックふうに言うなら、占いっていう方向もはずせない。わたしの性格と病だってありうる。ガンと性格についてはアイゼンバーグの報告があるくらいだ。
どうもわたしたちにとって似ているという「相似」は重要な考え方なのではないか? わたしのホメオパシーへの旅はとんでもない展開をみせそうだ。