先週の土曜日の日経一面に「東芝、初のマンション向け」「家庭用燃料電池」「購入負担100万円も」「小型・軽量、13年にも商品化」という記事が載っていました。
燃料電池とは言ってみれば、水の電気分解の逆の作用を利用した発電機のようです。
都市ガスと空気から電気を取り出します。太陽発電と同じで余った電気は売電すればいいんです。都市ガス利用なので、コストをはかりにかけねばなりませんが。
大事なポイントは、電気とともに生まれる熱です。この熱を再利用して給湯したり、暖房に使うことができるのだそうです。
マンションとは名ばかりの古い集合住宅に暮らす者としては、嬉しい話です。新しくこれからマンションを買おうという若い人は燃料電池取り付けの設備があるかどうかが選択の決め手になるでしょう。まだまだ高いとはいえ、新築やリフォームなら手が出なくもない値段になってきました。
そういえば、空気交換用に煙突穴が必要だったペレットストーブもマンションに対応したのが出ています。エアコンの穴を利用するらしいのですが、マンション向けに小型・軽量みたいですから、これも嬉しい話です。
都市ガスのかわりに家庭で出る生ゴミなどの有機物を微生物で分解したバイオガスを使えるようになれば、ゴミ問題も解決です。なにしろ生ゴミは諸説ありますが、家庭ゴミの4割~5割になろうと言うのですから。
明らかに次世代の集合住宅の形が見えて来ています。
中央集権的な構造より分散型のほうがいいのはわかっています。農における地産地消、政治における地方分権、エネルギーもまたしかりです。
各家庭で、発電池を持ってあとはゆるやかなネットワークが支え合う。そんな未来図が見えてきます。
ハイブリッドカーもHONDAのインサイトが好評のようです。189万っていう値段は魅力的ですね。集合住宅にこのリッター30Kmのインサイトでカーシェアリングを導入する。夢の未来図が現実のものとなってきました。
2009/3/16
2009/3/10
3月10日です。今どき,流行のクイズ問題ふうに問えば、「この日が何の日かご存知ですか」ってことになるでしょう。
今からおよそ64年前、1945年3月10日、東京大空襲で10万人になろうという大勢の市民が焼き殺された日です。同じ年の8月6日に落とされたヒロシマや同年8月9日の長崎の原水爆にくらべて取り上げられることが少ないのが現状です。
ちなみに今日の朝日新聞は、この未曾有の虐殺ともいえる空襲についてまったく触れていませんでした。東京大空襲と呼ばれていますが、これは大虐殺と言ったほうが適切な戦争犯罪であることは間違いないでしょう。
いうまでもないことですが、靖国には東京大虐殺に続く日本国内の非戦闘員である市民の戦争被災者は祀られていません。ここでも、「戦闘」は別格なのです。当然、遺族年金なども支払われていません。
この不平等こそが、問いただされなければなりません。かつて小田実は難死の思想として犠牲者の死は犬死になのかと告発しました。彼の反戦思想は犬死にした人々の恨みつらみに裏打ちされていたのです。10万人と一言で言うのは簡単ですが、その一人一人にあった物語を早乙女勝元さんが丹念に拾い集めたのが『東京大空襲』として、また当時の貴重な記録が『写真版 東京大空襲の記録』としてともに新潮文庫版で発刊されています。
ただ黙祷するばかりです。