3月10日です。今どき,流行のクイズ問題ふうに問えば、「この日が何の日かご存知ですか」ってことになるでしょう。
今からおよそ64年前、1945年3月10日、東京大空襲で10万人になろうという大勢の市民が焼き殺された日です。同じ年の8月6日に落とされたヒロシマや同年8月9日の長崎の原水爆にくらべて取り上げられることが少ないのが現状です。
ちなみに今日の朝日新聞は、この未曾有の虐殺ともいえる空襲についてまったく触れていませんでした。東京大空襲と呼ばれていますが、これは大虐殺と言ったほうが適切な戦争犯罪であることは間違いないでしょう。
いうまでもないことですが、靖国には東京大虐殺に続く日本国内の非戦闘員である市民の戦争被災者は祀られていません。ここでも、「戦闘」は別格なのです。当然、遺族年金なども支払われていません。
この不平等こそが、問いただされなければなりません。かつて小田実は難死の思想として犠牲者の死は犬死になのかと告発しました。彼の反戦思想は犬死にした人々の恨みつらみに裏打ちされていたのです。10万人と一言で言うのは簡単ですが、その一人一人にあった物語を早乙女勝元さんが丹念に拾い集めたのが『東京大空襲』として、また当時の貴重な記録が『写真版 東京大空襲の記録』としてともに新潮文庫版で発刊されています。
ただ黙祷するばかりです。
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