「ダヴィンチ・コード」が映画化され今月20日に公開されるというので、にわかにその話題が沸騰してきた。昨年3月フジテレビで製作された特番「ダヴィンチ最大の秘密と最後の謎」や一昨年放映された「聖杯伝説の謎?」が再放映されればいいのにと思っていたら、何と映画公開日に「ダヴィンチ最大の秘密と最後の謎」は再放映されるらしい。
「キリストはマグダラのマリアと妻帯していて子孫がいた」というのは今では、ほとんど常識になりつつある。ま、処女懐胎も父なる神の子も、そもそも発想が人間的だ。そんなに難しい話ではない。異端審問、魔女狩りもキリスト教の歴史そのものといっていいものだが、誘惑した娼婦マグダラのマリア説も、この最初のデッチあげを糊塗するものだった。
キリスト教を批判しているのではない。こうした事実はきちんと見ておいたほうがいいということだ。宗教界にも情報開示は必要だということだが、もうすでに外から暴かれてしまった。異端審問が秘密結社を生んだ。暴かれると秘密でもなんでもない。
この番組には現在のシオン修道会の広報担当が姿を見せるし、アルシーブ・ナショナル(フランス国立古文書館)でシオン修道会の歴代総長名を閲覧する場面も出てくるからよーく見てほしい。
「シオンの修道会総長名」とナレーションが入る画面で映っているのは「croix rose=バラ十字団」となっている。注意深く見てほしい。バラ十字団とシオン修道会とテンプル(聖堂)騎士団、さらにフリーメイソン、西欧の秘密結社といわれるものは、表向きの目的は多少のズレはあるが、多くは重なり合ってあっているのだ。
それらの流れを見てみると、歴史的には、十一世紀末にエルサレム王によって創設されたテンプル騎士団が大元のようだ。エルサレム巡礼者の保護が表向きだが、実質は発掘だったらしい。イスラム文化の略奪を繰り返した十字軍と違い、当初は9人だったというから驚きだ。
余談だが、フランスのロワール地方にはAUBERGE DE TEMPLIERES(テンプル騎士のオーベルジュ=旅籠)というシャトーホテルがある。ここのエクリビス・ソースのサラダは絶品だった。
フリーメイソンは674年、イギリスでつくられた自由石工組合ということになっているが、テンプル騎士団が建てた聖堂の元、ソロモン神殿などの石造建築の技術が流れ込んでいるようだ。このへんの話は『ダ・ヴィンチの暗号99の謎』福知 怜 二見文庫がよくまとまっている。
この地が今の聖墳墓教会なのかどうかは定かではないが、聖墳墓教会の聖堂の床は巨大な巨石だとNHKの特番でやっていた。
これだけ、石にまつわる話が出てくると、どうも古代の人々は何やら石の力を信仰していた? と考えてもおかしくはないだろう。
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