20日夜放映された『ダヴィンチ最大の謎と最後の秘密』は、はっきり言って拍子抜けだった。タイトルが同じなので昨年3月に放映したものを再放映するのかと思っていたら、新取材も加えた再編集ものだった。昨年の『ダヴィンチ最大の謎と最後の秘密』に一昨年の『聖杯の謎?』をまとめ、「最後の晩餐」だけでなく「モナリザ」に秘められた秘密やエルサレムの聖墳墓教会もでてくるので興味深いのだが、前回で書いたシオン修道会広報担当者も国立古文書館の秘密文書の総長名のところに「CROIX ROSE」とあったという、わたしが指摘した部分も削られていた。
「ダヴィンチ・コード」はフィクションなので、全世界で8千万の人が読んだといっても、フィクションとして許容するっていうのがヴァチカンのとった方針でしょう。事実、番組中のインタビューに出て来たラテン諸国の人はこぞって、イエスが妻帯していて子孫がいるなんてことはありえない、と答えていた。
フィクションの枠なら徒に騒ぎ立てると、異端審問や魔女狩りなどあらゆる手を使って流布して来たイエス=神の子説への疑いを呼ぶっていうことでしょう。
ダヴィンチ・コードはピレネー国境のレンヌ・ル・シャトーで起こっソニエール神父の町づくりへの謎ときからはじまったという史実や経緯を明らかにしなくてはダメですね。そうでないと、たんなるダヴィンチの謎ときになってしまう。それはそれで説得力のある謎ときなんだけど、固定観念で盲目になった人の意識を変えることは難しい。
番組もちょっとそのへんを意識してほしかった。それと、これはキリスト教だけでなく男性原理世界への女性性、母性の復権につながるものなんだってあたりの突っ込みがほしかった。
「古代、女性は太陽だった」
そうするとわが国でおきている女系天皇論議にもつながるんだけどねえ。
ま、『古事記』『日本書紀』に依拠する日本の古代史でも、歴史の改ざんは昔から言われてることだから『新訳聖書』がきわめて政治的につくられたとしてもおかしくはない。
馬鹿の語源って考えたことあります? 古代って現代に生きてるんですよ。Sang Realだけじゃなく。
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