そもそも、流行の「アンチ・エイジング」っていう言葉、抗加齢と訳されるんだろうけど、いかにもアメリカ的なマッチョ発想で嫌いです。テンガロンハットかぶって専用ジムで筋力トレーニングに余念のないブッシュJRを思い出してしまう。
まあ「アンチ」でも「オンチ」でも「ヘルシー」でも、それほど気にすることないんじゃない。言葉じりとらえるのはどんなもんかっていうのが世間だろうけど。自分がエイジング世代となると話はちょっと別になる。これが、アンチとヘルシーでは大違いなんだ。
「エイジング、渋いね。最近、なんか味わいがにじんできたね」って言ってもらえるもんなら言ってほしいっていうほうだからね。わたしも。これが、「最近、老人臭しますよ」って言われたら、あーどうしよう。
間に合ううちに、「香功」始めなきゃあ。
ヴィンテージに高い価値がつくフランスなら、エイジングは文化の根底です。
この本は、老いを受容し、衰えゆく体を抱えながら、優雅に潔く生きたいと考える人々に向けて書かれたワイル博士のエイジング入門編です。
わざわざ「入門編」っていうのは、ワイル博士にはもっともっと話してほしいから。歳くうっていうのは、話すことが山のように増えるってことだからね。
偉そうに「今時の若いもんは」って言うのも、自慢話も苦労話も、老害も老人臭もイヤ。不老不死なんてとんでもない。自分だけのことなら毎日温泉三昧くらいが夢。別に70過ぎてエベレストに登ったり、スキーで飛び降りたいわけじゃない。
それより、元気な孫の顔みたいっていうだけの話が大テーマになってしまうのだから困ってしまう。
人間わずか五十年、下天のうちにくらぶば、と舞った信長の時代に比べれば、平均寿命およそ八十歳にというわたしたちの時代の最大の、といってもいい課題”エイジング”に向き合うのに必読です。
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