舞鶴に住む舞田さんからmixy経由でいただいたメールとそれに書き込んだコメントを転載します。
琵琶湖の一番上流に、余呉湖という小さな湖があります。
水はとてもきれいで南湖の汚れとはまるで違います。
余呉湖に臨んで、余呉町という小さな町があります。
高齢化と過疎化の中にある町です。
この町が原子力発電所の核廃棄物の最終処分場の誘致に名乗りを上げたという新聞記事がありました。
琵琶湖は滋賀県民のいのちを養う大切な湖ですが、その下流には京都、大阪、兵庫県があり、この地域の水をまかなってもいます。いつごろからか、京阪神の水がめと呼ばれるようになっています。
その水がめの一番上流に核廃棄物を埋めようというのですから、みんなぎょっとしました。
琵琶湖に頼って生きている京阪神の人たちはとんでもないと怒っていることでしょう。
琵琶湖の研究者であり、先頃就任した嘉田由紀子滋賀県知事は、余呉町の意向に反対であると発表しました。
最終処分場からは低濃度の放射能はずっと排出されるし、長い間に放射能で琵琶湖が汚染される恐れがあるから当たり前のことではあります。
でも、ぼくは余呉町の誘致決議を言い知れぬ悲しみとともに読みました。
京阪神の人々が余呉町の選択に腹をたてることができるなら、腹のそこから怒ってみるがいい、と思います。
若狭に15基の原発を建設し、それを原発銀座と呼び、そこで作られた電気をふんだんに使っている京阪神の人々の姿と余呉町の選択は、悲しいほど似かよって見えます。
若狭では日々無数のいのちが『正常な原発の運転』で傷ついています。事故が起きれば、瞬時に地獄と化すことを引き受けて生きているのです。
過疎にあえぎ、いたるところで崩壊に直面している地域が原発の危険と隣あって生きてゆくのではなくて 本当に豊かに生きてゆくための知恵と力と勇気を分かち合っていただきたいものです。
琵琶湖の下流域の人々は過疎の村々の恩恵に浴していることを忘れないでいただきたい。
余呉町が、高浜町が美浜町が敦賀市が原発の危険から自由に生きるための気の遠くなりそうな地域再建計画を一緒に歩んでもらいたいものです。
そうすることで始めて、皆さんの水がめもまた命を育む豊かな自然へと変わってゆくのだと思います。
これに私はこうコメントしました。ちょっと手を入れましたが。
かつて『東京に原発を』という本がありました。東京電力の原発も行ってみるとほんとうにきれいなところです。わざわざ美しいところ選んでるんじゃとおもうくらいです。「美しい国」という人がどこまでそれを知っているのでしょうか? 丹後の海の美しさも友人から聞いていました。
以前まとめた『自然食生活術』で、食糧自給率に触れたことがあります。ただこれは米を玄米で食えばいい。減反してるくらいですから、もっと米を、それも玄米を食えばいい。これに雑穀、そばや各種の麦で何とか生き延びられるでしょう。糖尿病などは飽食病ですから、食糧危機は却って健康を取り戻すチャンスとさえいえるかもしれません。もちろん、遺伝子組み換えやハイブリットなどのとりかえしのつかない大問題はありますが。
問題はエネルギーですね。石油は今朝の鳥越さんの話ではあと40年くらいだそうです。中国がアメリカ並みになったら30年だとか。化学製品いっさいやめても熱源だけはと思ってたら、ペレットがありました。製材所にペレット生産施設をつくり、製材所からペレットを流通できるネットをつくり、各家庭でペレットストーブにする。生産性があがるそうで、森に入る人がことができ、しばらくは間伐材で持つ。そこから先は切ったら植えるという森林層の循環を50年単位でやればいい。
ペレットストーブはまだ高いですが、30万くらいのも出て来ています。岐阜にある森林文化研究所の熊崎実さんの話ではオーストリアのヴァイヤでは4軒の林業家と17軒くらいの農家が会社をつくって地域暖房をまかなっているそうです。
日本は森林大国です。経済性を優先させて南国材を輸入したために、戦後植林した杉林など荒れています。間伐すればいいのですがコストがあわない。でも冬の新月前に切った伐採木とペレットは救世主になりえます。余呉町の森林面積を知りませんが、救われる道はあるような気がします。資料お送りします。
後戻りできないところに行かないように、わたしたちは、この決断に秘められた悲しさに耳を傾けねばと思います。
コメント (1) »
ほんとに胸につまされます、今朝も連れ合いが「青森が、疲弊しているらしい」ということを言っていて、六ヶ所村とか関係しているのかしらなどと思ったところです。
ほんとにどれほどもものが秘められての決断かと思うと辛いです。
コメント by けさみ — 2006/9/28 @ 18:04:41
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