8月25日10:00amからBS1で「異文化の交差点スペイン」(再)が放映されました。これが抜群に面白かった。アルハンブラをあげるまでもなくスペインで素晴らしいモニュメントは、ほとんどイスラム文化の遺物です。
711年イスラム化したベルベル人が侵入。フランスのポワティエまで進軍したそうです。住民はイスラムを受け入れ、イスラム化しました。それは侵略や征服というより、圧倒的な文化の高さによるものだったそうです。
イスラムは灌漑技術をもっていたので、町町には水路が引かれ、噴水が設置され、緑が溢れ、畠にはオリーブやオレンジ、果物や農作物などが豊かに実り、かぐわしい香料の匂いが溢れ、妙なる音楽を楽しむようになったといいます。当時のコルドバは10万人の都市で70もの図書館があったというから、暗黒の中世といわれるキリスト教文化圏では想像もつきません。
この国がアンダルス王国と呼ばれた中世スペイン? です。アンダルシアの元でしょうか? その後に、よく知られるレコンキスタ(中世スペインの国土回復運動)が起こりキリスト教徒軍により徐々にイベリア半島が再征服され、15世紀末にはグラナダ王国を残してイスラム教を駆逐したわけです。グラナダが陥落したのは1492年といいますから、中世スペインは800年弱ほとんどキリスト教とイスラム教の共存と衝突の歴史です。スペインの
人たちには相当イスラム系の血もまざっているようです。
まあ、結局野蛮なキリスト教対優美で繊細なイスラム文化の戦いは、野蛮人が勝つわけですが、この番組の最後に大事なところがあります。勝利したキリスト教徒がイスラムの宮廷音楽家を幽閉したという下りです。
そして、そこから中世音楽を語るときに欠かせないトゥルバドール(吟遊詩人)が生まれたというのです。
ルネッサンス音楽やバロック音楽の前の話です。ギターの前身がリュートで
その前身はウードだそうです。アヌアール・ブラヒムの絶妙のウード聞きながら、これが西洋音楽の源流だと思うといてもたってもいられなくなります。
で、皆さんNHKのBSに電話してぜひぜひ、この番組再再放映を頼んでください。こんどは絶対にDVD録画します。
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