どういうわけか理由はわからないけれど、こころに深く印象づけられたものがあります。
CMで言うとそれが、カトリスのコマーシャルです。まあ、カトリスかどうか商品名すらはっきりしていないのですが。きっとこのCM見た人もいるでしょう。
場面は小池栄子がタイ風マッサージみたいなのを受けています。そのときマッサージをしているおばさんが鼻歌みたいな歌を歌うのです。
「アタシの彼は~、グゥァテマラ生まれ。蚊にきくカトリス好きだった~。」「生まれ」だったか「育ち」だったかはっきりしませんが、歌を聞いた小池栄子が「素敵な歌ね~」と答えます。それだけです。
シチュエーションも歌も会話もまったく意味不明なナンセンスCMです。ただ、全編スローです。歌もスローです。発音もガテマラではありません。グゥァテマラなのです。アジアを感じさせるのは、このスローにあるのかも知れません。
「手術台の上で偶然出会ったミシンとコウモリ傘のように美しい」はシュールレアリスムで言われる異質なものが出会うときに印象が強くなるディペイズマンという技法ですが、異化効果と言うようです。これを狙ってよく知られたものに『セーラー服と機関銃』がありますね。
それでいくと、マッサージ台の上で聴くグゥァテマラとカトリスの歌は何と言うんでしょうねぇ。アジア的にスローなんだけれど何しろとても印象深いのです。
これをアジア的シュールレアリズムと名付けておきましょうか。
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