さくら前線の北上が伝わってきた。今年は例年よりずいぶん早いようだ。しかも京都より関東のほうが早いらしい。花見へのお誘いメールも入ってきた。今週末には近くの柳瀬川の岸辺も満開の桜となるとちょっと信じられない。
お世話になっている三五館から「さくら」と題する画集が届いた。京都在住の奥村京華さんの作品集だ。掛け軸などでさくらを描いている方らしい。水墨画とは違う日本画といっていいのだろうが、空の青、さくらのピンク、新緑の緑、色鮮やかなのに、その繊細さはあきらかに日本画を想い起こさせる。
「さくら」に酔い、「さくら」に染まり、「さくら」で異境に引き込まれたり、「さくら」に涙したり、「さくら」に夢うつつになる。
わたしたちは、原日本語のひびきだけでなく、こうした絵にまで意識変容のきっかけをあたえられる。わたしと絵の「さくら」がシンクロする。夢のなか、無意識におけるように。嬉しいことだ。いやー素晴らしい!
西行の句「願わくば春死なん・・・・」。
さくらの下で法悦境で死ねる。日本人の死生観に「さくら」が深くかかわっていて、それが歓びである。わたしたちは何と幸せなんだろう。
さくらにほとんど関心のなかったわたしに、どうして「さくら」が訪れたのか? わたしは今、奥村さんの絵を追っかけたくなっている。
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