黒体というのは、すべてのエネルギーを吸収して熱エネルギーに変換して放出する物質だという。ブラックホールは黒体ではないかとか、理論的には100年ほど前から予言されていたが、現実的にはあり得ないとされ、仮想黒体と呼ばれていた。その仮想黒体に近いものとされていたのが炭やセラミックである。
黒体のことをはじめて耳にしたのは、いくつもの奇跡を起こした浄活水器で知られる「まほろばエリクサー」のセラミックについて取材していたときなのだが、手振り運動用フォーグ(1月30日の「手振り運動用FOAG」をご参照下さい)の制作者である佐藤健彦さんと話していたとき、この中はこんな色なんです。と食べていた中華の箸をさして言った。その箸は真っ黒だった。黒檀なのか紫檀なのか店の人には聞かなかったが、直感的にわたしは黒体を思った。
で、帰宅して黒体を検索中に、上越市にある越前和紙の老舗「寿伝」に出会った。和紙の廃材を練り固めて焼成した紙由来の炭のようである。連絡をとったら、直径13cmの円柱型の炭のサンプルを送ってくれた。吸音材、かみ炭シート、かみ炭ホカロン、床ずれ防止の介護シート、床材、壁材など可能性は無限に広がる。
冷蔵庫の脱臭剤だけだった炭はいまや、食用炭にまでなっていて、京都の代表的土産、生八つ橋=おたべには、黒のおたべが登場した。黒ごまを謳い文句にしているが、じつはこれに炭が入っているのだ。
自然養鶏に切り替えたために、ばたばたとひなが死んでいったとき、鶏舎に炭の粉をまいて危機を脱出したという話は益子で養鶏と農業を営む高橋丈夫さんから、『生命農法』三五館発行 を編集したときに聞いていて、わたし自身、耳かき一杯くらいの炭を飲んでいたこともあるので、驚きはないが、これが京を代表する土産になったというのは、嬉しい。
これが結構美味いのだ。京に行ったら、忘れずに黒のおたべを食べながら、黒体の可能性を考えてもらいたい。
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